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2011年 11月 21日
絵筆折りてゴルキーの手をとらんには
あまりに細き我が腕かな(夢二) この歌は、明治39年に刊行された『社会主義の詩』(堺利彦・編集)のなかに収められた短歌であるが、私の記憶違いでなければ、岡山の少年山荘(復元)の壁に貼られた短冊形の紙切れか、小さな掛け軸に、この歌があった。 今年はとりわけ、この歌を思い出しては感じるものがあった。 私は夢二のように、社会運動の結社と関わったことはないが、しかし、世の中に大きな出来事があると、こんな私でも色々と考え込んでしまう。 3.11以降、まったく絵が描けない状態がしばらく続き(描こうとしても思うように筆がすすまず)、鬱々としていた。こんなときに絵なんか描いてていいのだろうか。マンガなんて描いてていいのだろうか。机の前から離れて、何かやらなきゃいけないんじゃないか。そんな気持ちになっても、自分ができることなんて、たかが知れていて、スズメの涙ほどのカンパを送るだけ。 行動的な人たちは、すぐに行動に移して、色んなことやってるが、自分がそれをしたら、きっと作品は描けなくなるだろうというのがわかる。色々やってる人たちのことを考えると、自分は逃げてるような気になってきて、あれこれと揺れ動いたりもする。ああでもない、こうでもないと考えてる時にふと、夢二のこの歌が、映画のテロップみたいに脳裏に通り過ぎるのである。 「竹久夢二 考」は『幻燈』展の主催者が企画したものですが、今年は、ふとしたときに夢二のことを思い出していたので、出させていただこうと思いました。 今年上京するのは3度目なので、また来たかと思われそうですが(すみませんね〜)、 どうぞよろしくお願いします。(#^.^#)
by jun-milky
| 2011-11-21 12:33
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