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2012年 04月 21日
母が亡くなって1カ月過ぎた。まだ実感はない。
考えてみれば長い年月であった。 二十数年かけて、徐々にお別れしてきた。母が私の名前を忘れた時。私の顔を忘れた時。ふつうの会話が成立しなくなった時。何も反応せず無表情になっていった時。 そのように次々と、順番に少しずつ「母」を失い、その度に「お別れ」してきたので、突然、母がいなくなったわけではない。 冬の長い影法師みたいに、長い長い余韻を残しながら、静かに静かに遠い山の向こうへ逝ってしまった。そんな、物悲しくも穏やかな喪失感である。 母がアルツハイマーになったのは50代半ば。私は30歳を過ぎたばかりの頃であった。私は母を保護する立場となった。長い年月の間に私も病気を持った。私が元気なうちに母を看取ることができてよかった。という、ほっとした気持ちもどこかにある。 人は必ずいつか死ぬ。私自身も必ず死ぬ。「死」を特別なことと考えずに、自然の摂理として、ふと散歩に出かけるときのように、さりげなく旅立てたら、いちばんいいのだが・・・・。
by jun-milky
| 2012-04-21 14:32
| 日記
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