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2013年 06月 17日
![]() これは父の形見の腕時計である。私が子どもの頃から見慣れていた古い時計である。 電池式の腕時計を買ってからは、父はこの手巻き式の腕時計を引退させた。 父が亡くなった後に、遺品整理していたら、本箱の引き出しの奥からこれが出てきた。ヘビースモーカーだった父の煙草の脂で黄ばんでしまった古くて懐かしい腕時計だったので、形見にしようと思い持ち帰った。 父が亡くなってから、27年経っている。そのかん、一度もネジを巻いたことはなかった。完全に壊れていると思い込んでいた。まさか動きはしないだろうな・・・と独り言をいいながらネジを巻いてみたら・・・、なんと・・・・、秒針が動き始めた。 まさか、生きているとは思わなかった。 ほんとうにビックリした。 むかしの機械は、丈夫に出来ていたんだなあ・・・と感心した。まだ使い捨て時代になる前に作られた時計である。腕時計のベルトはちぎれているが、時計そのものは何の問題もなく、秒針が狂いもせず動き続けている。 ところで何年か前に、壊れたままになっていた父の形見の腕時計を、時計屋さんに修理に出して、また動くようになったと日記に書いたことがあったが、あれは、私の勘違いで、父の時計ではなかった。 自分の記憶の中の父の古い腕時計は、煙草の脂でガラス面がもっと黄ばんでいたはず・・・。と思いながらも修理に出してしまったが・・・。 後日、この腕時計(この腕時計こそ間違いなく父の形見)を発見して、あの修理に出した腕時計は、ひとちがい(時計違い)であったことに気付いた。 この腕時計を発見したのは、ほんの偶然。1、2年前(?)洋服ダンスの中を整理していた時に発見した。若い頃に幾度か使っただけのセカンドバッグ。もう使うことはないだろうから捨てよう、その前に中味の点検を。もしやお金が入ってるかも・・・と期待して開いてみたら、お金は入ってなかったが、この時計が出てきた。 な、なんと・・・・・!! 驚いた。これこそ、父の形見の腕時計ではないか!? 何を思って、こんな場所に父の形見の時計を保管してしまったのか自分でも解らない。その時は、たぶん、ここが適所だと思ったのだろう。 また、どこかへ迷子になってはいけないので、ふだんよく使う整理ケースの引き出しの中に入れた。 家の鍵や自転車の鍵、日常的に使ってる腕時計やカード類などが入っている整理ケースだ。 話はさらに続き、今日のことだ。 長年使っていた愛用の腕時計が、一週間ほど前から動かなくなっていた。電池交換しても動かず、どうやら故障のようだが、修繕するより新しい時計を買う方が安く付くかもしれないと時計屋さんに言われ、諦めることにした。 20年ほど前に、「鉄道忘れ物市」で買った中古の時計なので、安く買うことができた。わざわざ高いお金を出して修理するのは勿体ない。 しかし腕時計がないのは不自由だ。ずいぶん前にクリスマスの抽選で当たった腕時計があったので、もしも電池を入れ替えて動いたら、それを使うことにした。さいわい無事にちゃんと動いた。 で、なんとなく、父の古時計を久々に眺めて、これが動いてくれたらなあ・・・なんて思いながら、冗談でネジを回してみたら・・・。・・・・・・・・え!? ・・・ウソ・・・・。目の錯覚じゃなく、秒針が動いてる!! (もしかして、以前に一度、ネジを巻いてみたことがあるかもしれない。そして、たぶん動かなかったので、壊れていると思い込んでた。ということもあり得る。) ほんとうに今日はビックリした。こんな奇跡のようなことって、あるんだなあ・・・・。 あんまり嬉しくて、長々と書いてしまいました。 ご清聴ありがとうございました。
by jun-milky
| 2013-06-17 21:35
| 日記
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